がけぷっち世界

ここはくまのおかしな世界です。

神社の裏山に隠したエロ本

わたくそが初めてエロ本を見たのは小学1年か2年の時でした。1年か2年かあいまいですが、子供のころK川県内で3度引っ越しをして、記憶は引っ越しを節目として覚えています。K川県は当時人口が急増し、どこも1クラス40人以上で6か7組までありました。45人学級という言葉がありましたので、当時45人が上限だったのでしょう。
そんな小学校で、友達のT橋くんが「すげぇものがある」と呼んでくれて、休み時間に中庭の茂みでふたりでこっそり人生初のエロ本を見たのでした。
何人ものいろいろな裸の女性のカラー写真が並んでいました。光沢のある黒革の服を着てているのに肝心なところは丸見えだったり、柔らかそうな肌に銀色の金属が食い込んでいたり、刺激的でした。肌牛の搾乳機のような器具を付けられた乳首、医療用のチューブのような物を付けられたお尻、脚を拡げた姿勢で椅子に固定されコードの付いた器具を取り付けられた股間。そのころは知る由もありませんでしたが、あれはSM本だったのでしょう。なんとわたくそ、人生初のエロ本がSMだったのです。
小学1、2年ですが、淫靡さと禍々しさを感じ、下半身の一部が疼きました。それはT橋くんも同様だったようで、「なんかちんこがきょんきょんしてきたな」「な」と言いながら顔を見合わせました。
それからT橋君はもう一冊エロ本を見つけてきて、一番最初のSM本は黒い表紙だったので黒本、後から加わったエロ本は白本と呼んでいました。白本は、何人もの女性が街中で胸を見せている写真が並んでいて、T橋君と「オレはこのひと」などとお気に入りを指さしていました。わたくそはそれが撮影されたのが野外であること、おっぱいがお日様の光を浴びていることにたいへん興奮しました。今思うと白本は投稿写真系だったのだろうと思います。
エロ本は中庭の茂みに隠していて、学校内ではすぐに見つかってしまうという危機意識があり、放課後二人で自転車を漕いで近所の神社の裏山に隠しに行きました。裏山といっても、今思えばちょっとした盛り土のある森です。
森の奥の使われなくなった排水路のようなものがあって、その奥にエロ本を隠しました。たぶん濡れないようにビニール袋に入れていたとは思うのですが、その辺の記憶は定かでありません。暗号だらけの宝の地図のような物を書いて二人で秘密を共有しました。
しかしその後エロ本を見に行った記憶はありません。私は生まれつき体が弱く学校を休みがちになりました。その間にT橋君は親が交通事故に遭ったか起こしたかで親戚に引き取られて転校し、それきり会えなくなりました。
大人になってからも時々あのエロ本はどうなっただろうと思うことがありますが、あれからウン十年、あの裏山はマンションになっているのです。