がけぷっち世界

ここはくまのおかしな世界です。

むふんむふんおっほっほー

この前、大腸がんの疑いがあったので内視鏡検査を受けてきた。
尻から入れる内視鏡だと、麻酔ありと無しが選べるのだという。無しだと自分の腸の映像を見ながら説明が受けられます、なのだそうだが、そんなもの見たく無い。麻酔をかけずにやるかたもいらっしゃるようだが、痛くない方がいいので麻酔をかけてもらうことになった。「俺ぁ麻酔なんていらねぇぜ、それが男(漢)ってもんだろうがよ!」というオットコもいらっしゃるでしょうが、私は痛いの嫌なので麻酔してもらうことにした。

私くらい肥えていると、麻酔を入れる点滴の針が入らず何度もtryされましたがうまく入らず、若い看護師さんは何度も失敗して、一度年輩の看護師に何か言いに行ったので交代するのだと思ったら、年輩の看護師は私を一目見て「手首にしたら」と言い放って遠くへ行ってしまった。若い看護師さんは「手首にしましょそうしましょう」と私に問うわけでもなく独り言のように言い、手首の内側に針を入れられてしまって私は「むふんむふん」と声が漏れてしまった。「痛いですか刺し直しましょうか」と聞かれたが、さほど痛いわけではない。それに、刺し直しも嫌だ。「これでいいですっふふふん」と言ってしまったが、少し力を入れただけでも腱に針が引っかかる感触があって、痛いというより気色悪くて、「むほほほほん」と声が出てしまう。それから待合室に出ても、手首に針が刺さっている感じが気持ち悪くて小さい声で「むふんむふん」つぶやくようにうめいていた。歩くと一歩一歩針を感じて、「むふんむふん」言いながらトイレに通って3度目くらいでやっとUKOが完全に透明な液体になったので、「むふんむふん」いいながら検査室に行った。
麻酔と言っても、内視鏡程度では完全に意識がなくなるのではなく、朦朧とする程度だそうだ。KOuMONからずるずると器具が侵入する感触があった。私の大腸が急なヘアピンカーブしているせいか、器具が途中で引っかかったようで、看護師が私の身体に手をかけてゴロリとしたいようだが、重いのですみませんですが、看護師さんがまるで牛を叩くようにわたくその尻をピシャピシャと叩いて「ほら、自分でも動いてください」言った。朦朧とした中、指示に従ってポーズをとった。仰向けになったり横向いたり、腰上げしたり、そうしているうちに器具がぐぐーっと押し込まれる感触とともに下腹にロックロックという痛さ(ズキズキと言ってもいいでしょうが、正確を期せばロックロックです)が襲い、私は「むふふーん」とか「おっほっほー」という鳴き声を上げて耐えていましたが、さらにぐぐーっと強引な感じで来てとうとう「いたいたいたいたい」と声をあげてしまった。そこから少し意識がなくなった。

気が付いたら「終わりましたよ」言われたのは覚えている、歩いて出てたはずだが、気が付いたらぼーっとしたまま待合室に座っていました。「あなた、勝手にパン食べようとした」と看護師さんに怒られたのです。「このお金、何だか覚えてないでしょう」と言いながら看護師が小銭をチャリチャリ私のてのひらにのせた。どうやら私は、ぼーっとしたまま財布を持って売店に行き、菓子パンを買ったようだ。様子がおかしいと思た看護師が売店にて私を発見し、買ったパンを取り上げたようだ。私は意識レベルが低下したらとりあえず何か食べるという、食欲モンスターであることが判明した。でも、腸をきれいにするために昨日から固形物を食べていないし、下剤ですっからかんになっているので、誰でも空腹になると思うのだった。で、なぜ看護師が怒ったかと言うと、まだ食べてはいけないそうだ。

あと、看護師というと、たいていのお年頃の男の子(5才~75才まで)は「男か女か」と聞くし「女」と言えば「かわいかった?」もしくは「美人だった?」と聞くのですが、わたくそ意地悪だから看護師の性別容姿には触れません。

それから帰ろうとしたら、パーカーがない。毛玉だらけでヨレヨレの紺のパーカー。まだちょっと肌寒い日でしたので、パーカーがないと帰れない。患者用ロッカーとか、処置室とか、あちこち探し、警備員さんにも探してもらって「おかしいな」となった時、誰かが「トイレにあった」と持ってきてくれた。私は無意識にトイレに行き、出るはずのない大をしようとしたらしい。検査の後KOUMONに違和感を感じて大便をしようとしたのだろう。パーカーのあったトイレが私の行った覚えもない遠くの入院病棟のトイレだったというので不思議でしたが。近くのトイレを見て「汚れているからここではしたくないな」と思った記憶がうっすらあった。大便用個室の便器の上に棚があって、私はそこにパーカーを置いたようだった。
さて、意識を失うはずはない麻酔でこんなに意識が無いのは、たぶん私が「いたいたいたい」と声を上げたので麻酔を追加してくれたからかもしれない。体が大きいから通常よりも多めにしたのかもしれない。聞きませんでしたが。
会計が終わってもぼーっとしている様子を見て、看護師が「しばらく寝ていきなさい」ということで白いベッドで寝て、途中ゆうやけこやけが聞こえたような、起こされたのは夕方だった。とっくに外来は閉まっていて、昼勤の人は帰る時間だというが、私はまだぼーっとしていたら「途中で転ぶか迷うかしそうだから」と言われ、警備員さんの車で家まで送ってもらった。

検査の結果、がんは見つからなかった。ポリープもなく、きれいだったそうだ。