がけぷっち世界

ここはくまのおかしな世界です。

東屋にて、残暑。

すっかりさぶくなりました。あっつ→さぶぅ と急で、ちょうどいい時が無かったですね。

この前街を歩いていたら変なことがありますた。この前といってもまだ暑いころでしたが。
ちょっ疲れたので缶コーヒーを買って(下町価格で80円)、ちょっと大きめの公園で休んだときのこと。

日差しを避けるために東屋(あずまや・四阿 柱と屋根だけの壁のない小屋)で休むことにした。
東屋にはベンチがあって、先に親子が休んでいた。母親の横に3、4歳の女の子が寝ていた。
わたくそは親子からは一番離れたところに座って、コーヒーを飲みながら、ぶつぶつ言っていた。
いや、声に出すつもりはなかったが、出ていたかもしれない。
わたくそ、ちょっと暇になると架空のお芝居の稽古をするくせがあって、この時は、
「おらぁ、ぶっこいてしまいそうでごんす」という村人Dのセリフを練習しているていで頭の中でくりかえしていた。
すると母親が、「あのぅ…」と話しかけてきた。ヤベェ不審者だと思われたかな「警察呼びますよ」言われるかなと思たら、
「あのぅ…、トイレに行きたいので、この子をみていてもらっていいですか?」と聞いてきたので、
「どうぞ」と笑顔で答えましたね。
母親が行ってしまった後、ベンチにぐっすり眠っている子が残された。見ていてくれと言われたので子どもに近づいたが、他人と言えば他人に見えるような微妙な距離を保った。寝汗をかいて髪の毛がべったりと顔に貼ついていた。寝返りを打ったらゴロンと落ちそうで、その兆候があったら手を出そうと考えつつ。

少し待ったが母親は帰ってこないので、ウンコでもしているのかと思った。
も少し待っても帰ってもないので、公園のトイレが汚いから近くのお店のトイレに行ったのかと思った。
この子が目を覚ましたら大変だ!いきなり泣き出したらどうなるのだろうか。日本語つうじますか?こんなのほとんどアカテャンじゃん。通じないだろうな。ぐわーっと泣かれたらなんだなんだと人が集まってきて、わたくそ、もろ不審者ではないか。モロ師岡

30分くらいたった時、ふと、「あっ、これはヤラレタ!」と思った。もう戻ってこないのではないか、子どもを捨てたのではないか、と思たのです。警察に言えば「そうですか。ごくろうさまでした(敬礼っ!)」と言って、落とし物を預かるようにすぐに帰れるだろうか。それとも、あなたが面倒見てくださいということになるのだろうか。それとも誘拐を疑われるのだろうか。背中を、いやーな汗が滴った。
それに、わたくそもこのあとオシゴトに戻らねばならぬのです。(オシゴトツライデス。)というか、わたくそもおトイレに行きたくなってきますた。ちょっどこっちへ来るおばさんがいる。あのおばさんに「トイレに行きたいのでこの子を見ていてください」と言ってトンズラしましょか、そうしましょ、と心の中の悪魔が囁きました。
しかしそうはしなかった。こういう時、「私が悪いことをしないのは、私が善人だからではなく勇気がないからだ」という格言?を思い出す。どこで聞いたのか忘れた。日本語としては不自然だから英語の構文だったのかもしれない。聖書の引用ではないはずだ。

1時間ほどした時、母親は戻ってきた。手に買い物袋を提げていた。
「どうもすみませーん。すっかりおそくなっちゃってー」と言うから、
「いやぁいやぁ、はっはっは」と笑顔で答えますたね。
子どもは母親に抱きあげられて目を覚まし、「あっははーん!」と泣き出しました。

「ではでは、私はこれで。はっはっは」と立ち去りますたね。